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人口減少基調にある日本。人口が集中する首都圏においても例外ではありません。そのようななか、今後、どこが投資エリアとして有望なのでしょうか。不動産投資の検討において重要な要素のひとつ「人口」に注目をして考察していきます。今回注目するのは小田急江ノ島線「南林間」駅。
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都心への軽快なアクセスと相模原台地の自然が融合する街
神奈川県大和市に位置する「南林間」駅は、小田急江ノ島線が乗り入れる、交通利便性と落ち着いた住環境が調和したエリアです。小田急電鉄によると2023年度の1日平均乗降人員は約3万2,000人。隣駅の「中央林間」駅で東急田園都市線に乗り換えれば「渋谷」駅まで約40分、また「相模大野」駅で小田急小田原線の快速急行に乗り継げば「新宿」駅まで約45分と、都心の主要ターミナルへ1時間圏内でアクセスできる立地が魅力です。
「南林間」駅周辺は、昭和初期に計画された林間都市構想の流れをくむ、区画の整った落ち着いた街並みが特徴です。碁盤目状に整備された道路は見通しが良く、単身者から子育て世代まで幅広い世代が暮らす住宅地が形成されています。西口側には大和市の学習施設があり、行政サービスへアクセスしやすい環境も整っています。周辺には聖セシリア女子中学校・高等学校などの教育機関も点在し、文教的な落ち着きを備えた住環境が広がっています。
生活利便性についても充実しています。駅直結の商業施設である小田急マルシェ南林間をはじめ、駅周辺にはスーパー生鮮館TAIGA 南林間店やドラッグストア、地域に根差した商店街が広がり、日常の買い物に便利な環境です。さらに、隣駅の鶴間駅方面にはイトーヨーカドー大和鶴間店やイオンモール大和などの大型商業施設が集積するショッピングエリアが形成されており、休日の買い物やレジャーにも対応しています。医療面では、地域の中核病院である大和市立病院が生活圏内にあり、安心感のある住環境を支えています。
自然環境の豊かさも、このエリアの魅力の一つです。駅名の由来にもなった林の面影を残す公園が点在しており、なかでも多胡記念公園などでは、豊かな緑の中で四季折々の変化を身近に感じることができます。手入れの行き届いた緑地や街路樹は、住宅地に落ち着きと潤いをもたらしています。
交通面では、鉄道に加えてバス路線も利用しやすく、市内各方面への移動を支えています。再開発が進んだ工場跡地エリアや、相鉄本線さがみ野駅方面へ向かう路線も運行されており、生活動線の幅が広がっています。また、国道16号線や国道246号線といった幹線道路へのアクセスも良く、圏央道の利用により車での広域移動にも対応しやすい立地です。
大和市では大和市都市計画マスタープランに基づき、駅周辺のバリアフリー化や良好な住宅地の形成が進められています。成熟した住宅地としての落ち着きを保ちながら利便性も備えた「南林間」は、今後も安定した住環境が期待できるエリアといえるでしょう。
「南林間」駅周辺の不動産投資の可能性

2020年に実施された国勢調査によると、南林間駅が位置する大和市の人口は23万9,169人です。これは5年前の調査と比較して約2.8%の増加となりました。世帯数は10万9,582世帯で、1世帯あたりの人員は2.18人です。東京都平均(1.99人)を上回っており、単身者だけでなくファミリー層も一定程度居住しているバランスの取れたエリアであることがうかがえます(図表1)。

出所:総務省『2020年 国勢調査』
人口構成を見ると、15歳未満の年少人口は2万8,937人(12.1%)、15歳以上65歳未満の生産年齢人口は14万6,702人(61.3%)、65歳以上の高齢者人口は5万6,696人(23.7%)となっています。大和市は生産年齢人口が大きく減少している地域ではなく、比較的安定した人口構成を維持している点が特徴です。
大和市の昼夜人口比率を見ていくと83.4%です。これは「南林間」が都心や横浜方面への典型的なベッドタウンであることを示しています。主な流出先は「横浜市」が最も多く、次いで「相模原市」や「座間市」、「川崎市」など、神奈川県内の近郊地域が並びます。そして9位には「東京都港区」。これは小田急江ノ島線から小田原線や田園都市線へ乗り継ぐことで、都心にアプローチしている人たち。ここからも「南林間」は、広範囲な通勤・通学ニーズを取り込める点が強みであることがわかります(図表2)。

出所:総務省『2020年 国勢調査』
次に家賃相場について見ていきましょう。「南林間」駅周辺の家賃相場を大手住宅検索サイトのデータから算出すると、1Kが約6.2万円、1LDKが約9.5万円、2LDKが約11.5万円です。これは隣接する「中央林間」駅(東急田園都市線始発駅)に比べるとリーズナブルな設定となっており、都心へのアクセス利便性を確保しつつ家賃コストを抑えたい層にとって、非常に訴求力の高いエリアといえます。
ここで注目すべきは、供給される物件の間取りバランスです。駅周辺は単身者向けの1Kマンションが多く立ち並ぶ一方で、ゆとりある広さを確保した1DKや1LDKの供給は比較的限定的です。
近年の賃貸市場では、テレワークの普及や在宅時間の増加に伴い、居住スペースと仕事・寝室を分けたいというニーズが高まっています。特に1DK・1LDKは、広めの住まいを求める単身者から、ミニマルな暮らしを好む二人暮らしまで幅広い層をカバーできます。市場に多い1K物件との差別化が図りやすく、希少性の高い企画と言えるでしょう。こうした「専有面積のゆとり」は、将来的な資産価値の維持や、周辺物件とのリーシング競争において大きなアドバンテージとなります。
そんな「南林間」駅周辺の将来像を考えていきましょう。大和市の総人口は2025年頃をピークに緩やかな減少に転じると推測されていますが、その減少スピードは緩やかです。特に「南林間」駅周辺は、平坦な地形と整然とした区画により、高齢者になっても住み続けやすい「終の棲家」としての需要と、値ごろ感のある家賃を求める若年層の流入が共存しています。
「南林間」駅周辺の今後の人口増減をメッシュ分析で見ると、駅徒歩圏内においては2045年にかけても人口密度が維持される傾向にあります(図表3。2020年人口と2045年将来人口の比較。暖色ほど人口増、寒色になるほど人口減となる)。特に駅西口の商店街周辺や、東口の静かな住宅街は、生活利便性の高さから空室リスクが低い状態が続くと見込まれます。不動産投資の観点から見ると、劇的な人口増は見込みにくいものの、長期的に安定したインカムゲインを狙える「手堅い」エリアといえるでしょう。

「南林間」駅周辺の将来人口メッシュ分析
出所:国土交通省『250mメッシュ別将来推計人口データ』
日本の人口減少という大きな潮流のなか、不動産投資において人口動態の把握は不可欠です。今回取り上げた小田急江ノ島線「南林間」駅周辺は、計画的な街並みが生む住み心地の良さ、都心・横浜への良好なアクセス、そして生活利便施設の充実という三拍子が揃っています。データが示す通り、極端な人口減少の波に飲まれることなく、実需に基づいた賃貸需要が今後も継続するポテンシャルを秘めています。
一方で、築年数の経過した物件も多いエリアであるため、最新の設備導入やリノベーションによる差別化が重要となります。安定した需要があるからこそ、ターゲットを絞った適切な物件維持管理を行うことが、長期的な投資成功の鍵となるでしょう。