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人口減少基調にある日本。人口が集中する首都圏においても例外ではありません。そのようななか、今後、どこが投資エリアとして有望なのでしょうか。不動産投資の検討において重要な要素のひとつ「人口」に注目をして考察していきます。今回注目するのは都営新宿線「篠崎」駅を中心とした、江戸川区鹿骨(ししぼね)地区。
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「鉄道×バス×自転車」…交通利便性抜群な「篠崎/鹿骨地区」
江戸川区の北東部に広がる「鹿骨(ししぼね)」地区。古くから花卉(かき)栽培で栄え、「花のまち」としての歴史とブランドを持つこのエリアは、区画整理された美しい街並みと豊かな自然が共存する、区内でも独特の存在感を放つ地域です。 この広大な鹿骨地区における生活と交通の「核」となるのが、地区の南側に位置する都営新宿線「篠崎」駅です。鹿骨地区は、この篠崎駅を生活圏の中心(センター)に収めることで、落ち着いた住環境を維持しながら、都心直結の利便性を享受しています。エリア全体が持つ「暮らしのゆとり」と、駅周辺の「都市機能」の双方が融合している点こそが、この街の最大の特色といえるでしょう。
アクセス面においても、鹿骨地区の生活基盤は非常に強固です。 地区の玄関口である「篠崎」駅を利用すれば、「新宿」駅まで約40分、「市ヶ谷」駅や「神保町」駅へもダイレクトに移動が可能であり、都心ビジネス街への通勤はもちろん、主要な学生街への通学にも高い利便性を誇ります。
さらに、地区全体を網の目のように結ぶバスネットワークも見逃せません。地区内からはJR総武線の「小岩」駅や「新小岩」駅へ向かう京成バスが頻繁に発着しており、縦方向への移動もスムーズです。これにより、新宿線と総武線の2路線を自在に使い分けることができます。 また、平坦な地形が広がるこの地区では、自転車移動が生活の一部として定着しています。地区内のどこからでも自転車を使えば、篠崎駅前の商業施設や駅改札までストレスなくアクセス可能です。この「鉄道×バス×自転車」の機動力が、鹿骨地区での生活をよりアクティブで快適なものにしています。
「花のまち」の歴史が育んだ、選ばれる住環境
「鹿骨」という印象的な地名は、奈良時代に春日大社の神鹿をこの地に葬ったという伝説に由来し、古来より歴史の重みを持つ土地柄です。明治以降は農業、特に草花の栽培で発展し、現在もその名残として、住宅街の中に手入れされた緑や生産緑地が点在しています。
この歴史的背景は、現代の都市生活において「ゆとり」という価値を生み出しました。 駅周辺は再開発により、スーパー「ライフ」や「サミット」、複合施設「篠崎ツインプレイス」などが充実し、賑わいを見せています。その一方で、少しエリア内へ入れば、高い建物が少なく空の広い開放的な空間が広がります。駅前の便利な商業施設を日常使いしつつ、自宅周辺では静穏な環境で過ごすことができる。鹿骨地区は、「篠崎駅という強力なエンジン」と「歴史ある邸宅街の静けさ」の双方が調和した、住む人にとって心地よいエリアとなっています。
「篠崎/鹿骨地区」の不動産投資の可能性

鹿骨地区の核となる「篠崎」駅周辺のポテンシャルを、客観的なデータから紐解いていきます。 まず注目すべきは、街の活性度を示す「駅乗降客数」の推移です。 東京都交通局のデータによると、都営新宿線「篠崎」駅の1日平均乗降人員は、コロナ禍の影響を受けた時期を経て、力強い回復を見せています。
- 2021年度:34,188人
- 2022年度:36,827人
- 2023年度:38,767人
- 2024年度:39,512人
現在、4万人台への復帰も視野に入っています。この回復傾向は、リモートワークが定着した現在においても、篠崎・鹿骨エリアから都心へ通勤するビジネスパーソンが依然として多いことを証明しています。つまり、「都心へ通う単身者の居住ニーズ」が底堅く存在し続けているという、投資家にとって心強い根拠(エビデンス)といえます。
「ファミリーの多さ」が証明する、単身者にとっての治安と安心
次に住民の属性を確認します。2020年の国勢調査によると、江戸川区の人口は69万7,932人(前回比2.44%増)。特筆すべきは、1世帯あたりの人員が「2.09人」と、東京23区で最も多い点です。これは、篠崎・鹿骨エリアが伝統的にファミリー層に愛されてきた地域であることを示しています。
不動産投資において、一見すると「ファミリー向けエリアでは?」と思われがちですが、この「ファミリー比率の高さ」こそが、単身者向け物件の強力な差別化要素となります。 単身者、特に初めての一人暮らしや女性、あるいは仕事に忙しく住まいは静かな環境を求める若手社会人にとって、繁華街のような騒音や治安の不安が少ないファミリー向けエリアは、安全性の高い居住エリアとなります。治安の良さと地域コミュニティの安定性は、長く入居してもらうための重要な条件であり、空室リスクを抑える要因になるのです。
都心通勤者を支える「ベッドタウン」としての機能
人の動き(昼夜人口比率)からも、この街の役割が浮き彫りになります。江戸川区の昼夜人口比率は81.92%と23区内で2番目に低く、区外への通勤・通学者が多い典型的なベッドタウンです。 流出先のデータを見ると、トップは「江東区」、次いで「千代田区」「中央区」「港区」と続き、これら4区で半数近くを占めています。
これは、都心の中枢エリアで働くビジネスパーソンが、生活の拠点をこのエリアに置いていることを意味します。都営新宿線一本でオフィス街へ通勤し、帰宅後は静かな鹿骨・篠崎エリアで休息をとる。「職」と「住」を明確に分けたい現役世代の単身者にとって、このエリアは理想的なポジショニングにあるといえるでしょう。

【図表1】
流入者数・流出者数の地域別構成割合
出所:総務省「国勢調査」(2020年 東京都 江戸川区)
若年層の収入に見合う「適正家賃」が、高い入居率を生む
投資の収益性を左右する家賃相場について確認します。 大手住宅検索サイト3社の平均データによると、「篠崎」駅周辺の家賃相場は、ワンルームが7.2万円、1Kが7.4万円です。 一方、厚生労働省の調査(令和6年)による20代前半・正社員の平均月収は23.7万円。一般的に家賃は収入の3分の1以内が目安とされますが、このエリアの相場はその範囲内に収まります。
都心部では家賃が高騰し、若年層が住める物件が限られていくなか、現実的な家賃設定で、かつバストイレ別や独立洗面台などの設備を提供できるこのエリアは、若者にとって非常に魅力的です。特に鹿骨地区のように、駅から自転車圏内まで視野を広げれば、土地値を抑えつつ入居者満足度の高い広さや設備を確保できるため、投資効率(利回り)と入居者需要のベストバランスを狙うことができます。
駅周辺エリアに灯る「人口増」のシグナル
最後に、将来性についてです。江戸川区全体の人口は緩やかな減少局面に入ると予測されていますが、その減少幅は2040年予測で▲0.31%、2050年予測で▲0.62%、2060年で▲1%と、ほぼ横ばいという水準。日本全体が人口減が加速するなか、現状の人口ボリュームを維持すると考えられています。

人口増減(東京都江戸川区)
出所:総務省「国勢調査」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」
さらに「メッシュ分析」による詳細な予測を見ると、「篠崎」駅周辺には、安定的な人口増加が見込まれる暖色系のエリアが広がっており、一部では大幅な増加が期待される濃い赤色の地域も存在します。 これは、駅の乗降客数回復ともリンクしており、自然減(少子化)を上回る「社会増(転入)」が期待できることを示唆しています。都心へのアクセス性、商業施設の充実、そして鹿骨地区の緑豊かな住環境。これらが複合的に作用し、今後も単身者を含む現役世代が「住む場所」として選び続ける可能性が高いエリアといえるでしょう。

出所:国土交通省「250mメッシュ別将来推計人口データ(R6国政局推計)」
日本の人口減少下においても、局地的な需要を見極めることが不動産投資の鉄則です。 今回取り上げた「篠崎」駅および鹿骨地区は、駅利用者の増加が示す「揺るぎない都心アクセス需要」に加え、単身者が求める「家賃の適正感」と「静かで安全な住環境」のすべてが揃っています。
派手なエリアではありませんが、だからこそ、生活を大切にする堅実な入居者が集まります。今後も底堅い賃貸需要が見込めるこのエリアは、長期安定的な運用を目指す不動産投資において、有力な選択肢のひとつとして注目すべきでしょう。