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「年収3,000万円あれば、富裕層の仲間入りは時間の問題」──そう信じて、NISAやiDeCoを満額使い、堅実に貯蓄に励む40代のエリート層。しかし、FPの視点で見ると、彼らの多くは「労働収入の限界」という落とし穴に陥っています。高所得者ほど高い税率に阻まれ、手元資金(自力)だけの投資では資産拡大のスピードが驚くほど遅いという現実。なぜ「稼ぐ力」がある人ほど「借りる力」を使わなければならないのか? 「足し算」の資産形成から抜け出し、「掛け算」の世界へ移行すべき論理的理由を解説します。
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「年収3,000万円の罠」:手取りと生活レベルのギャップ
国税庁の「民間給与実態統計調査(令和6年分)」によると、「年収2,500万円」を超える人は0.3%[藤原洋子1] となっています。したがって、日本の給与所得者全体の中で、「年収3,000万円以上」の人は0.3%未満、数千人に1人という割合です。
「年収3,000万円もあれば、資産1億円くらいは余裕でしょう」。このようなイメージを持つ人は少なくありません。しかし現実には、50代・60代になっても「億り人」に届かないケースは珍しくないのです。その背景には、手取り額と生活水準のミスマッチがあります。
【よくある勘違い】
多くの高所得者が、額面3,000万円という数字のインパクトを過信しています。月収に換算すると250万円。額面の金額を基準に、自分の経済力を評価してしまっているのです。
【現実】
しかし、ここからが本題です。年収から社会保険料、給与所得控除、個人の生活環境ごとの所得控除が差し引かれた後の金額を課税所得と言います。高所得者の課税所得は、累進課税制度による所得税の高い税率が適用される部分が多くなります。[藤原洋子2] これに住民税(約10%)が加わるため、手取りはおよそ1,700万円~1,800万円にまで圧縮されるのです。
さらにこの層は一般的に、高所得に見合った生活水準を維持しがちです。都心の持ち家や子どもの教育費、ハイクラスな交際費、スーツや時計などの身だしなみ、高級車などの維持費といった支出がかさみます。生活水準の上昇により、年間に投資に回せる「種銭」はあっという間に減ってしまいます。
【落とし穴】
これが最大の落とし穴です。「高収入=資産家」ではありません。いくら年収が高くても、労働収入だけに依存する限り、累進課税制度というブレーキがかかり続けます。結果として、総資産1億円という富裕層への道は、想像以上に遠いものになってしまうのです。
「自力投資(無借金)」の限界シミュレーション
年収3,000万円という高所得層が、労働収入の次に資産拡大のために選ぶのは、自分の貯蓄を元手にする「自力投資」です。ここでは、労働力に頼った「自力投資」と、「他人資本」を活用した不動産投資という二つの戦略が、長期的にどれほどの格差を生むのか検証してみます。
【比較検証】
高所得サラリーマンが年間500万円を貯蓄・投資に回せるという設定で比較します。
- A氏: 毎年500万円をS&P500(年利5%)で長期運用。「借金は悪」という考えから、自力のみで積み上げるスタイル。
- B氏: 自己資金は温存し、銀行融資を活用して2億円の新築アパートを購入。他人資本(融資+家賃収入)を使った運用。
【15年後の格差】
A氏の場合: 堅実ではありますが、税引後利益の再投資であるため増え方は穏やかです。毎年500万円を積み立てても、投資元本は自分の手取りからしか生まれません。運用益には税金がかかり、再投資のスピードも制限されます。
B氏の場合: 家賃収入という「他人資本」でローン返済が進み、毎月の返済ごとに借金が減少します。これは「純資産」が増えていることを意味します。物件価格が大きく変わらなくても、残債が減ることで含み益が拡大します。帳簿上の減価償却費による節税効果とキャッシュフローが組み合わさることで、資産が加速度的に拡大するのです。
なぜ「新築アパート」が壁を突破する有効策となるのか?
年収3,000万円という高所得層が、「高い税率」と「自力のみの投資」の限界を突破し、「億り人」になるための最も有力な戦略の一つが、新築アパート経営です。これは、自分の労働力を超えたレバレッジを効かせられるからです。
【税効果】
不動産経営を行うことで、給与所得にはない「経費」の概念が生まれます。特に重要なのが、実際にはお金が出ていかない「減価償却」です。新築アパートの場合、建物の法定耐用年数に従って減価償却費を計上すれば、帳簿上の不動産所得を圧縮し、節税につなげることが可能です。
高所得者の給与所得と不動産の減価償却費等を単純に損益通算することは制限される場合もありますが、法人化するなど適切な仕組みを構築することで、経費計上による税金コントロールの自由度を高めることも可能になります。
【時間の確保】
株式投資のように、日々の銘柄分析やチャート監視は不要です。銀行の審査を通過した時点で、その物件は「一定の収益性を認められた事業」と言えます。管理会社と契約して日常業務をアウトソースすれば、本業に集中しながら資産形成を進めることが可能になります。
【新築の優位性】
新築アパートは、金融機関からの融資期間を長く取れるため、毎月のローン返済額を抑えることができます。家賃収入から経費とローンの返済を差し引いた後でも、手元にキャッシュフロー(現金)を確保しやすくなります。残ったキャッシュを再投資に回すことで複利効果を高め、「純資産(借金が減った分の資産)」を積み上げることができるのです。
「稼ぐ力」だけでは突破できない資産形成の壁
年収3,000万円という高収入を得ていても、「億り人」になれるとは限りません。むしろ、税負担の重さや生活コストの高さから、資産形成が思うように進まないケースも多いのです。労働収入だけに頼るのではなく、信用力を生かして「他力」を取り入れた資産形成は、富裕層への現実的な道となり得ます。
もちろんリスク管理や物件の目利きは必要ですが、「自力だけでは届かない壁」を突破するための手段として、検討する価値は十分にあるでしょう。
<執筆者>
藤原洋子
FP dream/代表FP
大学卒業後、食品メーカーに就職。結婚を機に退職後、専業主婦期間を経て国内大手生命保険会社に転職。営業担当として約12年間、保険商品の販売等を行う。FP資格を活かし、2016年から独立系ファイナンシャル・プランナーとして、マネー相談、執筆、勉強会の運営などを行っている。保険の活用と老後を見据えた資金計画、相続について、わかりやすくお伝えしている。