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不動産投資を始めるには、ある程度まとまった額の資金が必要になります。そのため多くの人がアパートローンなどを併用して投資を行っているのが現状です。「なぜ借入までして不動産投資を行うのか?」という疑問の声も多く聞かれますが、そこには不動産投資ならではの多大なメリットが隠されているのです。その知られざる“スゴいメリット”の数々をシミュレーションとともに解説します。
低金利・ペイオフに翻弄されたままで良いのか
不動産投資を始めるきっかけは人それぞれです。大家業で成功している友人から勧められた、書籍やネットの情報で興味を持った、FIREを目指して、などなど。「老後資金2000万円」とも言われますが、今や貯蓄だけではそれだけの資産形成は難しくなっています。
1990年代当初まで、貯蓄は堅実な資産運用と考えられていました。当時の預貯金金利は6%を超えていたため、毎月コツコツ貯めていれば老後の備えは万全だったのです。しかしバブル崩壊を機に日本経済は衰退、それに伴い金利も急降下し、1%未満にまで落ち込んでしまいました。
現在、1000万円を超える預金があるのなら、何かしらの資産運用を始めるべきです。その根拠は1%未満の低金利のみならず、資産損失のリスクがあるからです。万一預金先の銀行が破綻したら、ペイオフ対策により預金は1000万円(とその利息)までしか保護されません。複数の銀行に分割預金すれば数千万円分の資産は守れますが、預けきれない“余剰金”も出てくることでしょう。その余剰金を頭金にしてローンを組み、収益用不動産を購入してみてはいかがでしょうか。
ローン利用で、よりダイナミックな投資を
「1000万円超の潤沢な自己資金があるのに、なぜローンを組む必要があるのか?」多くの人がそのような疑問を持つことでしょう。ローンとは、言わば「借金」であり「負債」です。今ある資産を増やすことが本来の目的なのに、なぜ負債を抱えなくてはならないのか? そこには不動産投資だからこそできる“裏ワザ”が隠されているのです。
投資とは「ハイリスク・ハイリターン」の世界です。利回り5%のビジネスに100万円投資しても年間収益は5万円にしかなりません。これに1000万円かければ50万円、1億円かければ500万円になります。これを不動産投資(投資額=物件購入予算)に置き換えてみましょう。
A.投資額100万円なら、リートなど投資信託型の不動産投資ができます。
B.投資額1000万円なら、中堅都市の中古区分マンション(一戸)が買えます。
C.投資購入額1億円なら、新築一棟アパート(複数戸)が買えます。
上記A~Cの利回りをいずれも5%とした場合、
A.単独で所有権が得られない上に、年間収益はわずか5万円です。
B.年間収益が50万円に増えるものの、空室になれば即赤字になります。
C.年間収益が500万円に増え、たとえ一部住戸に空室が出ても収益はゼロになりません。
不動産投資における最大のリスクは「空室」です。これを回避するには収益用不動産を複数取得することが必要です。1000万円以上の資産があるのなら、その一部を頭金にしてローンを組み、複数の収益用不動産を購入することをお勧めします。これが「レバレッジ効果(てこ(=レバレッジ)の原理のように、小さな力(=少額投資)で大きなもの(=収益)を動かすという意味)」に繋がります。
管理費や税金など「諸経費」を含めた利回りの把握が重要
プロの不動産投資家がもっとも重要視するのは収益性、すなわち「利回り」です。そのため、収益用不動産の販売広告には必ず「利回り〇〇%」というキャッチコピーが記載されています。利回りには「表面(グロス)」と「実質(ネット)」があり、広告にあるのはほとんどが表面利回りです。
・「表面(グロス)利回り」
購入価格と家賃のみで算出します。その他の経費は考慮していません。
計算例:年間家賃100万円÷購入価格2000万円×100=5%
・「実質(ネット)利回り」
家賃から諸経費(賃貸管理会社に支払う業務委託料、固定資産税・都市計画税、マンションの管理費・修繕積立金など)を差し引いた額をもとに算出します。
計算例:年間家賃100万円-年間諸経費(年間家賃の概ね25%として)25万円÷購入価格2000万円×100=3.75%
グロスとネットでは1.25%の差が出てしまいました。もしネットで5%以上欲しい場合は、グロス6.25%以上の物件を探す必要があるということです。加えて、建物の修繕状況によっても諸経費は変動しますから、外壁や配管設備の状態なども購入前に要チェックです。
誰でもローンは利用できるのか?
誰でも容易にローンが組めるわけではありません。順風満帆経営の中小企業社長であっても組めないことはあります。しかし、企業勤続年数が長く定額収入がある正社員ならローン審査は難なく通ります。すなわち、レバレッジを効かせた不動産投資を行うフィールドが整っているということです。
日本政府は北海道・東京、大阪・福岡の4都市を「金融・資産運用特区」に指定しました。まるで国を挙げて、「海外資本家の皆さん、ぜひ日本の不動産を買ってください」と呼びかけているように見えます。このような誘導で外資の介入がエスカレートすれば、国内不動産の価格がさらに高騰することは必至です。加えてマイナス金利解除に伴うローン金利の引き上げ時期も気になるところです。低金利でローンが組めるラストチャンスは今かもしれません。