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高まる老後不安。早くから資産形成をスタートさせることが鉄則ですが、40代からスタートさせようとすると、老後まで20年ほどしかないことに愕然とするでしょう。もう時間がない……と、利回りだけにとらわれ、高リスク商品に手を出し失敗するケースも。そこで注目したいのが不動産投資。40代から不動産投資を始め、老後までに資産2,000万円を築く不動産投資戦略をシミュレーションしてみましょう。

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40代からの資産形成…もう老後まで20年もない現実

45歳のAさんは、就職して間もないころ、「資産形成を始めるなら早いほうがいいよ」と勤務先の先輩からいわれたことを思い出していました。しかし、Aさんには、資産形成は「まとまったお金を投資する」というイメージがありました。「20代の自分にはまだ早いのでは?」と思い、具体的に考えることはありませんでした。

順風満帆といえる人生を過ごしてきたAさんです。このごろ、「子供たちが独立したあと、僕たち夫婦の暮らしはどうなるのだろう。会社員生活が終わるまで、あと20年ほどしかないのか……」と、資産形成の必要性を現実的に感じられるようになりました。

給与からできる範囲で貯蓄はしていたものの、20代後半で結婚、30代になり、第一子、第二子が誕生しました。賃貸マンションから引っ越し、家族の希望の詰まったマイホームを購入。住宅ローンに加え、今後は子供たちの将来のために、塾に通わせたり、私立中学校の学校選びも必要になったりする時期です。

「近ごろ、物価がだんだん高くなっているなぁ。ところで老後の年金って、何歳からいくらもらえるんだろう。退職金はいくらくらい?」自分でいろいろと調べてみたAさんですが、調べれば調べるほど、「もしかして、老後の準備が遅すぎる?」と思われてなりませんでした。

「そうだ、いまからでも間に合うぞ。投資という手がある!」そう思い立ったAさんは、大きな期待を寄せて“投資”を始めたそうです。

逆算するともう手遅れ!?高リスク商品に手を出し、多くが大失敗に終わる

「60歳までに退職金以外にあと2,000万円あれば大丈夫かな。いまから60歳までに2,000万円準備するには、毎年140万円くらいは貯めないと……」

なんとかしようと焦ってしまったAさん。市場で好調だった企業の株式を購入するために、自分の普通預金2,000万円のうち1,000万円を充てました。しかし、急激な株価の下落が起こったことが原因となり、大きく損失を抱えることになったそうです。

40代の方は、日常の生活費に加えて住宅ローンの返済、お子さんのいる世帯では教育費など支出が重なります。勤め先で責任の重い役職に就いていたり、親の介護に関わっている人も。将来の自分たちのことを考えたり、貯蓄をしたりする余裕はないと思われる方も多いかもしれません。

50代になると役職定年によって収入が減少する場合もあります。いままでのように収入が増え続けるばかりとは限りません。「人生100年時代」といわれている昨今ですが、早期希望退職募集を行う企業の増加、AIやITを中心とした組織変革などを身近に感じてしまうこともあると思います。

40代は、しっかりと将来のキャリアプランや退職後の生活設計を考える、重要な時期といえます。一定の収入が継続できること、老後にゆとりのある生活が送れるような資金の確保を実現することについて、検討・実施が必要です。

焦りや不安を感じる場面があるかもしれませんが、まだ挽回できる時間があります。悲観せず、できることから始めてみましょう。

40代から始める不動産投資…15年で2,000万円をつくる【シミュレーション】

資産形成は、“投資”を始める、という意味だけではありません。資産形成の基本は、家計の収入と支出を把握することからです。家計の収支を黒字化しましょう。そのうえで、これからの人生で希望する暮らし方を叶えるために、いつごろ、どれくらいのお金がかかるのか、考えて備えていきます。

予測できない出来事が起こった場合に対処するためのお金も忘れずに準備しておきましょう。長期的な視点で、日常生活に無理のない金額でコツコツ始めることが成功へのポイントとなります。

税制面でメリットの得られるiDeCoやNISAを活用している方が年々増えています。また、資産形成の選択肢の一つとして不動産投資も有効です。15年で2,000万円を作るためのシミュレーションの一例をご紹介します。

 

【シミュレーション内容】

年齢:45歳

投資期間:15年

目標金額:2,000万円

物件価格:1億5,000万円

自己資金:3,000万円(物件価格の20%、購入時の諸費用込み)

不動産投資ローンの金利:3%

借入期間:35年

家賃収入:月80万円(アパート、10戸)

管理費:月4万円(賃料の5%)

修繕費等:月7万円

固定資産税等:年100万円

 

【シミュレーション結果】

ローン返済額:毎月47万円(15年で8,460万円)

家賃収入:15年で1億4,400万円

その他費用の総額:15年で3,480万円

差引資産額:2,460万円

※ローン残債8,327万円は物件売却で完済

40代からの不動産投資…やるべき人・やってはいけない人

40代は老後資金についてしっかりと考える時期です。不動産投資には、株式投資と比べると、ミドルリスクで長期間にわたり安定的なリターンを得られるなどのメリットがあります。しかし、誰にでも適しているわけではありません。よく知らないまま物件を購入してしまうと、多額のローンを組んだことを悔やむことになるかもしれません。

不動産投資をやるべき人と、やってはいけない人の特徴をまとめました。

 

不動産投資をやるべき人

  • 安定した収入がある方
  • 金融資産が十分ある方
  • 長期的な視点で行うことができる方
  • 資産や土地の相続を考えている方

 

不動産投資をやってはいけない人

  • 年収が低い方
  • 金融資産の少ない方
  • 値上がり益を期待する方
  • 不動産投資について学んだことのない方

 

40代からの不動産投資は、適切な知識を身に付け、不動産投資のリスクを理解し管理できれば、資産形成に有効な手段の一つです。迷ったときは、ご自身に適しているか慎重に判断し、不動産の知識が豊富な不動産業者やファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することも検討されるとよいのではないかと思います。

 

<執筆者>

藤原 洋子

FP dream 代表FP

大学卒業後、食品メーカーに就職。結婚を機に退職後、専業主婦期間を経て国内大手生命保険会社に転職。営業担当として約12年間、保険商品の販売等を行う。FP資格を活かし、2016年から独立系ファイナンシャル・プランナーとして、マネー相談、執筆、勉強会の運営などを行っている。保険の活用と老後を見据えた資金計画、相続について、わかりやすくお伝えしている。