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不動産投資は、物件購入時、運用中、売却時と、ステージに合わせて税金がかかってきます。意外と高額で、納税に苦労するということも珍しくありません。いつ、どのような税金が、どれほどの税率でかかるのか、いまいちど確認していきます。

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不動産投資にかかる税金・その1 購入時

購入時に発生する税金のひとつ目は不動産取得税です。これは不動産を取得した際に一度だけかかる税金で、固定資産税評価額*の3%が税額となります(住宅以外の家屋の場合には4%です)。一般的には購入した翌年4月頃に都道府県から納税通知書が届いて支払うことになるため、購入時からすこし時間が経ってから納税が必要に。金額も大きな金額になりやすいので、きちんと準備しておくことをおすすめいたします。

 

*固定資産税評価額は、市町村が算定して毎年納付書とあわせて評価額が通知されます。目安としては、売買価格の6割~7割程度の金額になることが一般的です。

 

ふたつは登録免許税です。これは不動産を登記する際にかかる税金で、所有権移転登記の際に支払います。金額は固定資産税評価額の0.2%です。なお、不動産取得税と登録免許税には、居住用不動産に対する軽減措置がありますが、購入者本人が居住する場合に適用されるため、投資用の物件では軽減されないことに注意してください。

最後は印紙税です。不動産の売買契約書などの書類に対して課される税金で、契約金額に応じて税額が異なります。税額の幅は400円~60万円で、契約金額が1億円以下であれば最大6万円の印紙税が必要となります。

不動産投資にかかる税金・その2 運用時

不動産を所有している期間中にかかる税金は主に2種類です。

ひとつは固定資産税と都市計画税です。毎年、固定資産税評価額に基づいて課される税金で、市町村により評価され、1月1日時点での所有者に課税されます。なお都市計画税は、市街化区域の不動産に対してのみ課税されますので、都市部以外の不動産であれば、固定資産税のみが発生します。市街化区域かどうかは、各市区町村のHPなどで確認するか、役所へ問い合わせればわかります。

税額は、固定資産税が評価額の1.4%で、都市計画税が0.3%です。ただし、住宅用の不動産については、面積や年数にもよりますが、最大で税額が1/6になる軽減措置が設けられています。これは投資用の物件であっても適用の対象となります。また、固定資産税と都市計画税は、毎年4月・7月・12月・翌2月の年4回に分けて支払います。

もうひとつは所得税と住民税です。賃貸収入のある方は、毎年その他の収入と一緒に確定申告を行う必要があります。1年間の賃貸料などの収入から減価償却費や借入金の利子などの必要経費を差し引いたあとの利益を計算し、給与収入等と合計して所得税額を計算します。このときの所得税は総合課税という方式が適用されますので、その年の所得金額によって税率は5%~45%で計算され、確定申告をする3月に納税する必要があります。住民税は一律10%の税率で計算され、6月・8月・10月・翌1月の年4回に分けて納税します。

不動産投資にかかる税金・その3 売却時

不動産を売却する際に発生する主な税金は、所得税と住民税です。なお、売却時の契約書にも印紙税が必要になります。金額は購入時と同額です。

所得税や住民税は、不動産の売却によって得た収入から、取得費や仲介手数料等の譲渡費用を差し引いたあとの利益に対して課税されます。取得費というのは不動産を購入したときの金額ではなく、そこから運用していた期間の減価償却費相当額を差し引いた金額のことを指していますので、購入時の金額よりは低くなります。

もし、売却時の金額が低く、取得費や譲渡費用の方が高くなる場合には、所得税と住民税は発生しません。損失が発生したときには、他の不動産を売却した利益と相殺することはできますが、給与などと相殺することはできません。運用時のときとは異なり、税額の計算方法は分離課税という方法を使います。不動産保有期間が5年以内の場合、譲渡利益に対して所得税が30.63%、住民税が9%、保有期間が5年を超える場合、所得税が15,315%、住民税が5%の税率で計算されます。

まとめ

不動産投資を成功させるためには、各タイミングでどれくらいの税金がかかるかをしっかり把握することが重要です。予算を計画し、適切な節税対策を行うことで、投資のリターンを最大化できます。また、税金の支払いタイミングを見越して資金を準備しておくことも大切です。正確な情報を基に計画を立てておくことが、不動産投資成功の鍵を握ることになるでしょう。

 

<執筆>

西口 孟志

西口孟志税理士事務所 税理士

1994年1月30日生まれ。京都府出身。 同志社大学経済学部卒業後、日本電気株式会社に入社。 その後、EY税理士法人等の複数の税理士法人にて、個人事業主から上場企業まで幅広く税務会計の支援に従事。 2022年に京都市にて、西口孟志税理士事務所を開業。