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堅実な資産形成法として注目される不動産投資ですが、時に「騙された!」という声も耳にします。どのような人が騙されやすいのか、そして騙す側の“悪徳不動産業者”をどのように見分けたらよいのかについて解説します。
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騙されやすいサラリーマン投資家の特徴
会社にかかってきた外線電話を取ってみると、それが不動産投資の営業電話だったという経験はありませんか。ワンルームマンション投資等を強引に勧めてくる悪徳不動産業者は、大手企業のホームページに掲載された電話番号をもとにゲリラ的に営業を仕掛けてきます。断り切れず彼らの話を聞き始めたら最後、週末には売買契約書にサインさせられてしまいます。
こういった悪質な営業にはお決まりの「誘い文句」があります。
「不動産投資は節税効果が高い」
「家賃収入は老後の年金代わりになる」
「空室になっても家賃は保証する」
確かに、不動産投資は株式投資などと比較して経費計上できる項目がたくさんあるため、所得税の節税効果が高いといえます。また、先細り感が否めない年金支給額に加えて家賃収入が得られれば老後は安泰です。そして、不動産投資において最大のピンチといわれる空室時も「サブリース(業者が賃貸物件を一括借り上げして家賃を支払う契約)でサポートします」と畳みかけられれば、投資初心者なら二つ返事で契約してしまっても仕方ないでしょう。しかし、そこに大きな落とし穴があるのです。
大手企業勤務のサラリーマンは悪徳業者の餌食になりがちです。なぜかというと、毎月定額の収入を得ているサラリーマンは、銀行の融資審査を容易にパスできるからです。不動産投資ローンの融資限度額は年収の7~10倍程度といわれますから、年収1,000万円のサラリーマンなら7,000万円~1億円まで借り入れが可能、ということになります。悪徳業者にとってサラリーマンは、確実に高額物件を売りつけることができる格好の“カモ”なのです。
多忙なサラリーマンは知識が不足気味
不動産投資に失敗しないためには、不動産業者の言うことを鵜呑みにせず、自らも“知識武装”することが必要です。
悪徳業者は「絶対儲かります!」と収益性(=表面利回り)の高さだけを強調し、ローン返済や建物修繕などといったデメリットについては詳しく説明しません。たとえば業者から、東京23区内に建つ築浅投資用マンション(価格6,000万円・家賃収入月額25万円・表面利回り5%)の購入を勧められたとしましょう。ローン審査は問題なく通ったものの、毎月の返済額は21万円(金利2.5%・返済期間35年)になり、家賃収入から差し引いた純利益は4万円程度にしかなりません。建物が新しいうちはよいのですが、築10年を過ぎて建物の修繕が必要になってくると、その純利益も修繕費に注ぎ込まなくてはならなくなります。この段階で賃貸経営は赤字に転じ、生活費を切り詰めるような状況に陥ります。
実際、手元に残るのは毎月たった4万円だというのに、業者は「家賃収入25万円ですから儲かりますよ」としか言いませんし、10年後の建物修繕リスクの説明など皆無です。そもそも表面利回り5%には賃貸運営に関わる必要経費が算入されていないので、実質利回りは3~4%程度といったところでしょう。よいことしか言わない悪質営業マンを撃退するためにも、投資家自身がローン返済シミュレーションや実質利回りの計算ができるようにしておくことが重要です。
不動産投資「悪徳業者」の見分け方
前述のゲリラ的な電話営業を仕掛けてくる業者は論外ですが、ネット上で魅力的な広告を公開している不動産業者のなかにも怪しげな会社はあります。たとえば、契約を躊躇していたら「他の購入希望者から申し込みが入りそうだ」とか、「この物件を逃すとあとがない」などと執拗に煽ってくる業者は避けたほうがよいでしょう。
ローン返済や建物修繕、空室、家賃下落などといった投資リスクの説明もないまま契約を強要してくる業者も避けるべきです。不動産業界には、自ら不動産投資をした経験がなく、加えて宅地建物取引士の資格も取得していない営業担当者が意外と多いのです。そのため、投資リスクについての説明が希薄になってしまうのかもしれません。
そして極めつけは「行政処分歴」がある業者です。迷惑営業行為を繰り返している業者は国土交通省が提供するネガティブ情報検索サイト(https://www.mlit.go.jp/nega-inf/)に掲載されている可能性があるので、不審な場合はこのサイトで会社名を検索してみるとよいでしょう。
悪徳業者のカモにされないために
「不動産投資は初めてだから、すべてプロに任せたい」という気持ちはわかりますが、それを逆手に取って顧客の資産を搾取しようとする業者もあります。業者に頼ることなく、自分自身で家賃収入と物件価格から実質利回りを計算し、収支バランスのよい物件を選ぶことが大切です。
加えて定年退職後、さらには老後のライフプランを組み立てて、そこで不動産投資をどのように生かしていくかも考えていきましょう。
信頼できる業者との出会いが不動産投資成否のカギ
本当に信頼できる不動産業者は、顧客に「結論」を急がせません。そして「必ず儲かる」「将来値上がりする」といった根拠のない話も一切しません。
顧客の不安や疑問をしっかりと受け止め、顧客が納得できるまでじっくり説明してくれる業者を選ぶことが不動産投資成功の秘訣。経験豊かで、顧客の資産運用を自分事として考えてくれる不動産業者と出会うためには、多くの営業担当者と話をし、選別するという地道な作業が必要です。